オリジナルデザインの郵便番号枠によって郵便番号が読み取れず、局員の手間となっているという話を聞いたことがあるでしょうか?
本記事では、郵便番号枠に係わる各種約款と現場の実情について考察します。 消しゴムはんこで郵便番号枠を作っている方、作ろうと思っている方はぜひご一読いただけたらと思います。
その前に、郵便番号制が導入されている理由は何でしょうか?
郵便事業の経費の約8割は人件費だといわれています。マンパワーに強く依存しているため、機械化の一環として郵便番号制が導入されています。
安く安定したサービスを提供するためです。
オリジナルの郵便番号枠を使うことで実際に「機械が郵便番号を読み取れない」ということがあるようです。読み取れないということは局員が手作業で仕分けすることになります。 これは郵便番号制導入の目的にそぐわない可能性があります。
つまり、安く安定したサービスを享受できなくなる可能性があるということです。
先日、日本郵便は人件費高騰などからほぼすべての商品・サービスで値上げが実施されました。
では、オリジナルの郵便番号枠だとどうして読み取れないのでしょうか。 実は、郵便番号枠には実に細かい規定があります。概要だけ示しますが、詳細は郵便局のウェブサイトを参照してください。
http://www.post.japanpost.jp/zipcode/zipmanual/p05.html
これらの規定に則ったものしか読み取れないわけではありませんが、大きく逸脱するもにに関しては読み取れないようです。
また、郵便番号枠を使用しない場合においても別途規定があります。詳細は、「内国郵便約款 別記1 郵便番号を記載する方法」を参照してください。
この約款には、郵便番号の前に「郵便番号」「〒」などの表記をしないなどとも書かれています。
よって、消しゴムはんこで郵便番号枠を作成する場合、以下の点に注意する必要がありあそうです。
郵便番号を誤って機械が読んでしまい、誤った地域の局へ配送されるリスクがあります。他圏(誤った地域)へ配送され、再び他圏(目的の地域)へ配送されるため、遅延が発生します。
また、郵便番号が読み取られなかった場合は、局員が郵便番号の情報を機械で手入力します(注1)。
例えば、これが年賀状の時期に発生したらどうでしょうか。
元日配送のために投函された年賀はがき(12月20日までに投函されたもの)は、 局員やアルバイトの方が間に合わせるために全力で区分処理を行いますが、 年賀状は量が膨大(注2)なため、手作業区分はかなりの負担になることが想像できます。
オリジナル郵便番号枠は必ずしも使えないわけではないようです。が、郵便局の方が忖度してきちんと送ってくれることがほとんどでしょう。
また、差出人として使用する場合は可能です。機械区分では宛先の郵便番号および番地を読んで区分します。なので、差出人の郵便番号記入のためなら問題ありません。
システムの改修は現実的ではないでしょう。
あくまで私感ですが、予算も莫大にかかるほか、もしバグが出れば大きな損失を被ることになります。 改修コストと郵便物を手区分する人件費を考えると、手区分の方が割安なのかもしれません。 また、改修したところで全て自動区分できるとは限りませんし、入れ替える暇(時間)も無いでしょう。
郵便番号枠だけ見ても多くの規定があることがわかりました。 ハガキに関する規定はそのほかにも、重さ、色、強度、材質、形状、インクの色などに関するものがあり、 私製ハガキを作成するとなると多くの点に注意する必要がありそうです。(内国郵便約款 参照)
当たり前のように利用している郵便は様々な規定と郵便局員さんの手間によって成り立っています。 オリジナルの郵便番号枠を直接規制するようなものは存在しませんが、本記事が 郵便番号枠について一考する機会になればと思います。
本記事は著者が調べたことをまとめたものであり、日本郵便の公式見解とは異なる点がある可能性があります。
注1:郵便事業は年賀状の売上げでやっと黒字になれるとか。
注2:VCS(ビデオコーディングシステム)を使用し、 機械区分で郵便番号や番地が読み取れなかった場合、パソコン画面に映し出されたハガキの画像を人が見てキーボードで入力します。 ベテランの人だと10分間に2000件前後入力するとか。